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『ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず』
ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) (新潮文庫)
塩野 七生

ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) (新潮文庫)
ローマ人の物語 (2) ― ローマは一日にして成らず(下) (新潮文庫) ローマ人の物語 (3) ― ハンニバル戦記(上) (新潮文庫) ローマ人の物語 (4) ― ハンニバル戦記(中) (新潮文庫) ローマ人の物語 (5) ― ハンニバル戦記(下) (新潮文庫) ローマ人の物語 (6) ― 勝者の混迷(上) (新潮文庫)
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ローマ建国(BC753)からイタリア半島統一(BC270頃)まで。

王政に始まり、共和政に。
ローマ建国当初、周囲はといえば、ギリシアでアテネ、スパルタといった都市国家を建設して隆盛を誇っている。
南イタリアはギリシア人、北イタリアはエトルリア人、地中海を挟んで北アフリカのカルタゴはフェニキア人がそれぞれ支配し、ローマは弱小すぎて誰も気にしないという状況。

ローマは周辺の部族に勝利すると、その部族を自らの支配者層にまで取り込み(元老院の議席を与えた)、力を増していく。
元老院というと“長老”のようなイメージがあるが、そうではなく有力者の会議体という位置づけ。
ここを間違って理解していると、この後ずっとローマ史が正しく理解できない。

王政を配した後は、二人制・任期1年の執政官(コンスル)という役職を設けた。
コンスルは選挙で選ばれる。
王にせよコンスルにせよリーダーシップをとるものは必要だという認識からうまれた仕組み。
しかし、終身にしなかったのは王政への反省から。
国家の危機に至っては独任制・任期半年の独裁官(ディクタトール)が選ばれる。
強大な権限を持つから任期は短くするという。

アテネでの民主政はペリクレスの時代に完成する。
しかし、ペリクレスという強大なリーダーシップを発揮したたった一人の人間が民主政を完成させるという。
見方によっては彼は独裁者だが、巧みな政治力で支持を得続け、アテネを繁栄させもした。

後進国ローマは、先進国アテネに人を派遣するが、アテネの真似はしなかった。
一人の天才に頼らなければならないよりも、組織永続の仕組みを作ることを模索した。
貴族と平民の対立も目立つがコンスルに平民も就任できるようにするなど仕組み作りについては極めて合理的。
国民性の違いとか民族性の違いとか言ったらそれまでだが、ではなぜそのような違いを持つに至ったか、は良く分からない。

そのような仕組みを作って国内を安定させ、周辺に進出する。
一度はローマ陥落の憂き目に遭うが、時間をかけ復活を遂げ、イタリア半島の統一を進めていく。

紀元前4世紀後半にはマケドニアにアレクサンダー大王が現れるが、彼はペルシアからインドへと向かったので、ローマが彼と戦うことはなかった。
もともとギリシアはペルシアとの抗争もあったので、ギリシアを得たアレクサンダーはイタリア半島を見てはいなかった。
まだ見るに値しない小国であったというのもあるかもしれない。
アレクサンダーが長生きしていたら、ヨーロッパ・アジアの歴史は大きく変わっていただろうか。

兎にも角にも、イタリア半島を統一したローマはフェニキア人のカルタゴと見えるに至る。
ローマ人は陸の民、フェニキア人は海の民、どのように交わっていくのか。
次巻。
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