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『ローマ人の物語〈41〉ローマ世界の終焉』
ローマ人の物語〈41〉ローマ世界の終焉〈上〉 (新潮文庫)
塩野 七生

ローマ人の物語〈41〉ローマ世界の終焉〈上〉 (新潮文庫)
ローマ人の物語〈42〉ローマ世界の終焉〈中〉 (新潮文庫) ローマ人の物語〈43〉ローマ世界の終焉〈下〉 (新潮文庫) ローマ人の物語〈40〉キリストの勝利〈下〉 (新潮文庫) ローマ人の物語〈38〉キリストの勝利〈上〉 (新潮文庫) ローマ人の物語〈39〉キリストの勝利〈中〉 (新潮文庫)
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395-476まで、およびそれ以降。

テオドシウスは息子二人に西方と東方をそれぞれ託したが、東西分離を意図したのではなく、従来続いていた分担をしたのであった。
しかし、息子たちとその側近たちは次第に分離していき、別の国家として動いていくようになった。

蛮族のたびたびの侵入により第一に被害を被るのは農業に携わる者である。
ローマの防衛線が機能しなくなったいま、彼らは農奴となり豪族や教会の荘園で、守られる代わりにその支配に入ることとなる。

ローマの人材面の衰退は、シビリアンとミリタリーを分けたことにある。
建国以来、王政、共和政、元首政、帝政とあったが、国のトップに立つ人物は政治・軍事に携わらざるを得ない。
シビリアン、ミリタリーの両方の経験を積むことができたシステムが、シビリアン・ミリタリーを分けたことにより崩れ、人材の質が低下した。

あらゆる面で衰退に向かっていたローマを支えていたのがスティリコであった。
国の危機にもかかわらず、スティリコを快く思わない者たちはおり、陰謀によってスティリコは処刑に追い込まれた。
いつの時代もどんな国にもこのような者たちはいるが、後先考えないのだろうか。

スティリコの抑えがなくなり、アラリックにより首都ローマは蹂躙される。

その他の地域でも蛮族は侵入、というよりも定住していく。
ゲルマン民族も、フン族に追われ、押し出されるようにしてローマに“移住”してきたのであった。
そのフン族を率いていたのがアッティラだが、アッティラが死ぬとフン族の脅威は消えた。
脅威が消えたのはゲルマンにとってであり、ローマにとってはゲルマンという脅威は全く消えないままである。
フランク、ブルグント、東西ゴート、ヴァンダル、アングロ・サクソンらによってローマ西方はほぼ失われる。
最後の皇帝ロムルス・アウグストゥスはオドアケルにより退位させられ、西ローマは滅亡する。
西ローマの跡地には上述のゲルマン諸族の国が成立する。

東ローマ、以下ビザンチン帝国というが、ユスティニアヌス帝が往時のローマの領域を取り戻そうとし、将軍ベリサリウスを派遣する。
ユスティニアヌスの時代に一時的にはイタリアなどを取り戻すが、長くは続かない。
中央集権化が進み、官僚制ができあがったビザンチン帝国では、占領行政は官僚の役割であった。
ローマでは、シビリアンもミリタリーも経験した司令官が統治も自ら行うが、中央から派遣された官僚ではうまくいかなかった。
そして、蛮族とビザンチンによるイタリアの争奪が繰り返され、イタリアは荒れていく。

ユスティニアヌスの死後、ビザンチンが得た旧西ローマは蛮族に奪われ、またアラビア半島からはイスラム勢力が押し寄せた。
イスラム勢力は、北アフリカをまわり、イベリア半島まで侵略した。
地中海がローマの内海であった時代は完全に終わりをつげ、北と南を分かつ海となった。
ローマ世界はこうして消滅していった。
了。

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